一般社団法人日本玩具協会は、会員企業および「東京おもちゃショー」出展企業の協力を得て、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の玩具市場規模と市場動向に関する調査を今年も実施した。
2023年度の日本国内の玩具市場規模は、前年度比107.1%と大きく伸び、上代(希望小売価格)ベースで1兆193億円と、初めて1兆円を超えた。玩具の売り上げは少子化が進む中でも2019年度以来、4年連続で伸びており、前年度に続いて過去最高を記録した。
また、玩具の中核を占める10分野(注参照)も、2023年度は6,883億円で、前年度比108.5%と伸び、こちらも過去最高を更新した。
【2023年度国内玩具市場規模(主要10品目)】
(分類 2022年度 2023年度 2022vs2023 単位:百万円)
01 ゲーム 18,156 18,937 104.3%
02 カードゲーム、トレーディングカード 234,906 277,429 118.1%
03 ジグソーパズル 12,883 12,309 95.5%
04 ハイテク系トレンドトイ 10,578 12,853 121.5%
05 キャラクター 62,993 64,693 102.7%
06 のりもの玩具 50,262 54,741 108.9%
07 ドール、ままごと 35,048 31,570 90.1%
08 ぬいぐるみ 32,358 39,060 120.7%
09 知育・教育 127,719 127,590 99.9%
10 季節商品 49,729 49,153 98.8%
合計(主要10品目) 634,632 688,335 108.5%
(注)主要10分野とは、市場全体からベビーカー・チャイルドシート・三輪車などの乗用関連と、雑貨、ホビーを除いたもの。
さらに日本玩具協会ではこの調査とは別に、カプセル玩具の市場規模も調査し、2023年度のカプセル玩具の売り上げは前年度比5.0%増の640億円と市場拡大が続いている。
2023年度に玩具市場が初めて1兆円を超えた最大の要因は、前年より425億円売り上げを伸ばして、今や2,774億円市場となったカードゲーム・トレーディングカードで、市場全体の27.2%を占めた。
また、プラモデルとフィギュアが好調だったホビー市場も79億円拡大して1,749億円市場になった。
次いで金額で伸びが大きかったのはぬいぐるみで、67億円伸ばして391億円市場。
2023年度の玩具市場で拡大が目立った商品ジャンルを伸び率でみると、上位は①ハイテク系トレンドトイ121.5%、②ぬいぐるみ120.7%、③カードゲーム、トレーディングカード118.1%、④のりもの玩具108.9%、⑤ホビー104.7%だった。
中分類での金額ベースの伸びの上位は①フィギュア、②ミニカー、③乗用、④幼児キャラクター、⑤立体パズル。
カードゲーム、ホビー、ぬいぐるみ、ミニカー、ハイテク系トレンドトイなど、2023年度に伸びが顕著だったのは、いずれもキダルト層(キッズ+アダルト=子ども心を持った大人層)までをターゲットにした商品分野、あるいはインバウンド層にも人気の商品が揃った商品分野であることが特徴になっており、それが少子化の中でも玩具が成長産業になっている大きな要因であると考える。
◎2023年度の商品動向
玩具市場規模が初の1兆円を超える最大の要因となったカードゲーム・トレーディングカードは、前年度比118.1%、金額で425億円伸ばして2,774億円。「ポケモンカードゲーム」が前年度に続いて大きく伸長をしたことに加え、「ONE PIECEカードゲーム」や「遊戯王OCG」などのブランドもそれぞれ好調だった。
また、ハイテク系トレンドトイも前年度に続いて大きく伸ばしたが、その要因として大きかったのが、たまごっちの新機種「Tamagotchi Uni」の発売や「Original Tamagotchi」のヒット、そして「ぷにるんず」シリーズ。
ホビーに関してはガンプラが引き続きプラモデル市場を牽引したほか、今回大きく伸びたのがフィギュアで、インバウンド層のお土産需要としてコレクションミニフィギュアなども人気だった。鉄道模型も好調だった。
のりもの玩具市場を牽引したのはミニカーで、「トミカ」が大きく伸びたのに加え「ホットウィール」の躍進も貢献した。
知育・教育玩具では前年度から引き続きベビーカーやチャイルドシート、三輪車などの需要が好調だった乗用の伸びに加え、「パウ・パトロール」をはじめとした幼児キャラクターも好調だった。
キダルトとインバウンド需要の両方を取り込んだことで大きく伸ばしたぬいぐるみは、「ポケモン」や「スーパーマリオ」、「ピクミン」、「スタジオジブリ」などのキャラクターぬいぐるみが大きく牽引した。
その他、ゲームは「ルービックキューブ」の好調と「はずるゼルダの伝説」のヒットで立体パズルが伸びたほか、アフターコロナの中で人が集まる機会が増加したことでパーティ関連や手品の需要も伸びている。
玩具市場は今回初めて1兆円の大台を超え、キダルト層やインバウンド需要なども取り込みながら、少子化の中にあっても極めて好調に推移している。
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2024年08月30日