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2023年02月06日

ぺんてるが体験発表会 「シャー芯」13年ぶりにリニューアル! 「オレンズAT」の自動芯出し機構とは!

「ぺんてる新商品体験発表会」に出席したぺんてるの開発陣

ぺんてるのシャープペン替芯とシャープペンの系譜(会場内で展示)

 ぺんてる(高橋智和社長)は1月18日、東京・六本木の文喫で「ぺんてる新商品体験発表会」を行い、13年ぶりにニューアルしたシャープ芯(シャー芯)の替芯「Pentel Ain(ぺんてるアイン)」と新自動芯出し機構を搭載したシャープペン新製品「オレンズATデュアルグリップタイプ」を発表、同社の開発者たちが出席しトークを通じて想いに触れた。


●【シャー芯 原材料にオイルを混ぜる新発想 なめらかさを向上】

 まず、「ぺんてるアイン」は、同社従来品の「なめらかさ」をさらに向上させた13年ぶりの新ブランド。2023年1月30日に発売した。

 シャープペン替芯に求められる「折れにくさ」「濃さ」「汚れにくさ」などの基本品質を、すべて高レベルで実現しつつ「なめらかさ」に磨きをかけた総合力の高い製品。同社従来品は強度と濃度という、相反する性能を高次元で両立しており、ぺんてるアインもこの性能を損なうことなく引き継ぎ、さらに「なめらかさ」を向上させた。

 この話を聞いて思い出すのが、ぺんてるのシャープペン替芯開発のエピソードとして有名な「焼きおにぎり」だ。

 ある日、替芯の担当開発者がストーブの上のおにぎりがこげて真っ赤な炭になったのを見て、「炭化させて固くする」というひらめきを思いつく。その後、試行錯誤の上で合成樹脂を使用した細くても折れにくいシャープペン替芯「ハイポリマー芯」(1960年発売)の原型につながる。以降ぺんてるの替芯開発は、「芯の強度」を高めつつ、性能として相反する書きやすさ、書き心地を追求してきている。この逸話は体験会でも紹介された。

 吉川工場の研究開発本部第二開発グループの坂田祖(さかた・はじめ)係長はこのエピソードを引用する形で「そのようなインスピレーションは大切で、今までの考え方でやっていると新しいモノとかコトは生まれてこない。今回のシャープ芯ではなめらかさを実現するために、原材料にオイルを混ぜるという発想の転換から特殊オイルの考えが生まれた。この発想も若手の開発者の発案によるもの」と自由な風土から生まれたぺんてるらしさを語った。

 また「Pentel Ain」のケースは、ケースから芯を取り出し、筆記するまでの動作の行動観察を36か月のべ300人以上を対象に行い、スライドによる開閉が特徴的な新構造を採用している。

 「ぺんてるアイン」の芯径は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.9、1.3を用意する。商品価格は、各税込220円。

 同社はシャープペン替芯の形状が「1」に似ていることから、毎年1月11日を「シャー芯の日」として、一般社団法人日本記念日協会(長野)により認定され正式に登録された。


●【オレンズAT ノックは最初の1回だけ 勉強に集中できる】

 続いて発表された「オレンズATデュアルグリップタイプ」は、1960年にノック式シャープペンを生み出したぺんてるによる、自動芯出し機構搭載シャープペンの新モデル。2023年1月24日から発売された。芯径は0.5ミリ。

 思考を止めずに「書き続けられる」という新しい筆記体験をより多くのユーザーに提供し、自動芯出し機構搭載シャープペンを次世代のスタンダードにすることを目指す意欲的な新製品だ。

 新製品では、ペン先が紙面から離れるたびに自動で芯が出る「自動芯出し機構」に加え、ペン先のパイプで芯を守って書く「オレンズシステム」、そして機能とデザインを両立したラバーと金属からなる「デュアルグリップ」を採用。ノック動作や芯折れによる時間ロスを大幅に減らすことで、これまで以上に書くことに集中でき、学生を中心に集中し続けたい意欲の高いユーザーに最適なシャープペン。価格は税込2200円。

 「自動芯出し機構」とは、ペン先が紙面から離れるたびに、自動で芯が出てくるメカニズムのこと。この機構を搭載しているため、最初のノック1回で芯が1本無くなるまで書き続けることができる。

 シャープペンは中高生がメインターゲットのため、SNSや動画配信が購入のきっかけとなることが多い。昨年11月に人気ユーチューバーが同社の高級シャープペンのフラッグシップモデル「オレンズネロ」をYouTubeで紹介したところ、買いが殺到し品薄になっている。

 会場の記者からは「オレンズATはオレンズネロのように品薄になる心配はないか」との質問も出たが、製品戦略本部製品戦略部商品企画グループの大澤成(おおさわ・なる)主任は「オレンズネロは金属製ボールチャックのため、金属の丸棒を削りひとつひとつ人の手による作業が必要となるが、オレンズATはより多くの人に使ってもらいたいというコンセプトに基づき、金属と同等の耐久性を持つ樹脂製ボールチャックを新開発し、量産性を高めている」と打ち消した。


●【ぺんてるのシャープペンにはぺんてるのシャー芯を使ってほしい】

 なお発表会では、部品数も多く精密機器のような高機能のシャープペンが人気のなかで、シャー芯とシャープペンを自社内で企画開発していることから、ぺんてるのシャープペンにはぜひ「ぺんてる純正芯」を使用してほしいというアナウンスも行われた。



<参考>

■オレンズ AT デュアルグリップタイプ 商品ページ

https://www.pentel.co.jp/products/mechanicalpencil/orenz_at/

新商品「オレンズ AT デュアルグリップタイプ」は、「コスパ」や「タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)」を求める中高生からα世代など若い世代に向けて、広く自動芯出し機構を使ってもらえるようノックや新折れによる時間ロスを大幅に削減することで「書くこと」に集中し続ける体験を提供するために、新たに開発された。

■Pentel Ain(ぺんてるアイン) 商品ページ

https://www.pentel.co.jp/products/mechanicalpencil/lead_pentel_ain/

なかなか新商品が出ない替え芯というカテゴリで、13年ぶりにリニューアルした新ブランド「PentelAin(ぺんてるアイン)」では、素材開発のイノベーションで他の性能を落とさずに「なめらかさ」を実現した。

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