■需要の流れが変わる
2015年1月31日から2月3日まで、ドイツのフランクフルトで開催される国際ステーショナリー見本市「ペーパーワールド」は、文具オフィス用品関係では世界最大規模となり、毎年会場における出展社と来場バイヤーとの商談成約額は公表されないものの、日本円で約4000億円超と推定される。
今春の開催には59か国から1677社の出展(ドイツ296社、海外1381社)に対し、144の世界各国市場から4万2145名のバイヤーが、ドイツ国内からは1万4608名、海外から2万7537名が会場を訪れた。
ドイツは別として、来場数の多い地域はヨーロッパ70%、アジア17%、アメリカ8%の順だった。ヨーロッパ域内ではイタリア、フランス、英国そしてオランダの順。日本からも約1000人のバイヤー登録があったと発表された。
来場者の1位は34%が自社企業仕入れのため、2位が19%で企業の貿易関係責任者、業態では販売店32%、流通・貿易23%、サービス関係15%の順、
来場の主な目的は1位(42%)が変革の流れを知るため、2位は出展社および来場するバイヤーとのコミュニケーション、3位が市場開拓と新製品情報を得るためだった。
単に企業から研修目的など、大づかみの目的で派遣する時代ではなくなったようだ。
同じフランクフルトで消費財テーマのメッセはペーパーワールドの他に複数ある。例えば2015年2月13日~17日は家庭用品、生活雑貨などを中心に4700社が出展する「アンビエンテ」、同年8月29日~9月1日には同様趣旨の「テンデンス」などが続く。
他地域のみならず主催する同じ組織での競合もあり、激烈となる。評価が定着したかに見える世界的に有名なフェアではあるが、毎回企画力にはアイデアを絞っている。
今回も、主催者は具体的に来場企業の業績に寄与するイベントを企画、たとえば2015年から2016年の欧米、アジアの市場動向を科学的に予測、専門家に語らせる、地域によって変わる流行色を発表する、大衆普及の量産品とデザイン重視で高価格帯の製品の傾向を話すレクチャーの催しなどを行う。また異なるトレンド予測を対比して柔軟な市場対応を考察する。
具体的には次のテーマを告知している。
(1)Emotional Path
感性に訴求して販売する製品が、デザイン技術で繊細な創意あふれる商品に生まれ変わり、新たな需要を拓く。
(2)Expressive Way
描画の発想から企画を見直してオリジナル開発へ導く。皮革とタブレットPC、ペーパークリップとコルク仕立てのマグネットを一体化、木と銅を家具仕様に利用など。
(3)Classic Road
重厚なイギリスの紳士クラブを想定、華美に流れず懐古と現代をマッチングさせる。単純なリングバインダーですらピンストライプ模様で見た目も鮮やかな調度品に変容する。これらのトレンドセッティングについて、会期中6号館2階(C90)で毎日午前11時と午後3時の2回専門家による展示ツアー(英語)が予定されている(無料、参加者にトレンドカラー、素材、サンプルデザイン掲載の冊子がわたされる)。
■人気のクリエイティブワールド
同時期の同じ会場敷地内で、スタートして歴史の浅いクリエイティブワールドのコーナーに人気が集まりだした。
2回目の2014年はパートナーカントリーをアメリカに指名、ホビークラフト、テキスタイルなど多様な素材を対象に専門店バイヤーを集客し、32か国から287社が出展した。
ペーパーワールドから一時撤退した三菱鉛筆、ぺんてるなどがホビークラフト市場の顧客に向け再出展し、デモなどでアピールし、成果を上げている。日本メーカーは今回も4号館2、3階に小間を確保してクリエイティブワールドに集中して訪れる各国専門店バイヤーへ積極的なアプローチを準備している。
【お問い合わせ】
メサゴ・メッセフランクフルト株式会社
担当:野澤悦子氏
電話:03-3262-8444
電子メール:nozawa@mesago-messefrankfurt.com
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2014年11月22日
新企画次々と 世界最大の文具見本市「ペーパーワールド」1月に開催
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