世界最大のシュレッダーメーカー、フェローズ(米イリノイ州シカゴ)の日本法人であるフェローズジャパン(東京、山脇隆司社長)は、11月28日、新製品内覧会開催中の品川区の本社で、米フェローズ本社のジョン・フェローズ社長も出席し、プレス懇親会を行なった。
同社長は中国の生産拠点の最新状況や新カテゴリーへの進出について語った。
ジョン・フェローズ社長は「ご存じの通り、中国工場が突如閉鎖ということになり、フェローズのこの2年間は厳しい状況だった。日本はもちろんビジネスを展開している各国市場にも影響があった。世界的な景気後退で厳しい経済状況ではあるが、一方で私たちはチャレンジできるチャンスと捉えている。直近1年は中国で新しく工場を立ち上げ、シュレッダービジネスを再構築。金型を作り直し、新製品の開発も行い、2年前の90%まで回復した。この2年間でいろいろなことを行い、多くのことを学んだ。その中で、再度ビジネスを立ち上げ、お客様との関係を保つことに尽力した全社員を誇りに思う。また厳しい中で我々と共に苦労と辛抱を重ねていただき、サポートもしていただいたお客様に対して一番の感謝を申し上げたい」と話した。
米国業界情報によると、デジタル化の普及により、今後10年で紙の消費量は年ベース3、4%減るといわれている。またモバイル化が進み、外出先からアクセスして仕事ができるなど、働く環境も変化している(※)。
フェローズは、紙に関連した製品を扱い、ターゲットは企業向けのラインナップを主力にしていたが、今後は2方向からのアプローチをするという。
フェローズ社長は「1つ目の戦略は、紙の使用率が減少する中でもシュレッダー、ラミネーターなどは日本市場で核となるビジネスとして位置づけ、変わらず投資を行う。今後は基本概念を少し変えた開発を考えている。2つ目は、未来のオフィスでのワーキングシーンを考えた製品開発をしていく。今から5年のスパンで考え、既存製品の幅広い開発と共に、新カテゴリーにも着手したい」と話した。
新カテゴリーでは、「例えば、米国市場で先行発売している空気清浄機。私たちは『99.7%新鮮な空気』をテーマに開発、すでに第2世代を準備中だ。また、モバイルやワーキングシーンに合わせた周辺アクセサリーを増やしていく。家庭向けでは、収納用品や普及するタブレットPCが家庭でどのように使われていくかを調査中で、マッチする製品群を考えている」と述べ、将来的に新カテゴリーで売上の15~20%を占めたい考えだ。
また同社長は大震災以降の日本の印象について、「大きく変わったという印象はない。3.11以降、日本人の忍耐力にはあらためて感銘をうけた。日本は大きく大切な市場であり、今後も拡大できるよう投資をしていく」とエールをおくった。
■ジョン・フェローズ(John E.Fellowes)氏
34歳。2001年12月にビジネス・マシン部門トレードマーケティングマネージャーとしてフェローズ入社、以降マーケティング、販売、製品開発に携わる。2008-2011年にビジネス・マシン部門バイス・プレジデント/ジェネラルマネージャー、2012年プレジデントに就任。シカゴ・カブスのファン。
※コンピュータ・デバイス売上高に占めるモバイル機器の割合は、2000年(1億3700万USドル)の18%から2011年(8億7500万USドル)は83%と大きく伸長している。
* Gartner, International Data Corporation, Aug 24, 2012
*TechCrunch “Post PC InDeed” March 8, 2012
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2012年12月05日
「働き方の変化に対応する、新カテゴリーにも進出」 米フェローズ社長
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