不況、不況の大合唱で、財布のひもが堅くなった個人消費。北風と太陽ではないが、消費者の財布を開くにはどうしたらよいのか。都内の文具専門店に聞いた。
「仕掛けることですよ」と、MDAYSカレッタ汐留店の寺沢祐一店長は即答してくれた。
カレッタ汐留店は複合型商業施設カレッタ汐留の地下1階にある。上階層にある電通本社のオフィスワーカーを中心に、国内外からの観光客、周辺の企業、劇団四季の観客など多彩に集う。
訪れた日も、店頭前でステーショナリーのデモ実演を行っていた。内容はエセルテジャパン(東京目黒区)のシールメーカー「ザイロンX150」。一目で見て、何に使う商品かわかる人は少ないはずだ。X150はお気に入りの写真や切り抜きさえあれば、何でもシールにできてしまう優れものなのだ。
今回が初めてのデモというエセルテ営業の皆木孝之さんが、店舗前の通行客に向けて声がけを行なう。平日の昼時なので、首からIDストラップを下げたワーカーが多い。モノがモノだけに女性客が多いが、エックスの形に興味を持つ男性もいて、「娘のために」と、30代のビジネスマンが買っていた。結局、目標には届かなかったが、90分あまりで7台が売れた。1台の価格は税込1575円だ。
寺沢店長は、店頭でプロモーションを行うことの大切さを話す。「文具店では、お客様とコニュニケーションをとって説明しないと、何に使うのはわからない商品もある。デモを行うことで、そのきっかけ作りができる。最大の敵は、こんなのやってもダメでは、という固定観念です」。
同店では、昨年秋から年末にかけて、クリスマス柄のトイレットペーパーを予想を超える540個販売した。2個で399円の品。これは同店のWebサイトからも仕掛けた。
今、力を入れているのが、日本に海外からの観光客を呼び込む国家的プロジェクト「YOKOSO!JAPAN WEEKS 2009」(1月20日~2月末)。カレッタ全体でもキャンペーンを行っており、同店でも通路側のエンドゴンドラ1本を使って、ポストカード、置き時計、キーチェーンクロックなどを展開する。
冒頭のシールメーカーについて、寺沢店長は「今度はバレンタインデーの前と、ホワイトデーの前に各1回デモを予定しています」という。
厳しい時代、待ちの姿勢から、自ら情報発信を行なうことの必要性を感じた。
文具と事務機のポータルサイト・株式会社ニチマ:文具の業界はあなたのライフ&ワークスタイルを支えています。
ホーム > 特集
特集
2009年02月06日
仕掛けることの大切さ 都内の文具専門店に聞く不況対策
[最近の記事一覧]
- 2025.07.01金入の新業態「BUNGUU」 イオンモール名取3階 未来屋書店名取店内にオープン
- 2025.06.25【日本文具大賞2025】優秀賞12製品が決定 7月2日の表彰式にてグランプリ発表
- 2025.05.23文房具総選挙2025結果発表!大賞はコクヨ「大人のやる気ペン」
- 2025.04.03【コラム】文具店 万引きをどう防ぐ
- 2025.02.25ゼブラ、新たな手書き体験を生む「kaku lab.」発表 120年超の技術集結した「T-Pen」 XRと生成AIで「カク」を拡張した新創造を実現