ぺんてるは、12月15日に新発売する、静音設計の油性ボールペン「Calme(カルム)」のメディア向け体験会を、11月25日都内で実施し、ミレニアル世代の音ハラ問題に着目した経緯と新製品のポイントを、開発チームがトーク形式で伝えた。
体験会では、広報の田島宏氏の進行により、ぺんてる製品戦略部デザイングループの中沢英和課長、同社研究開発本部の野村恭平氏、miyake design代表の三宅一成が登壇し、開発までの道のりを振り返った。
企画初期からブランドの方向性のディレクションを担当した、中沢課長は「群雄割拠する油性ボールペン市場で新しい価値提案ができないか」と考えていたときに、日常の生活で周囲や自身が生み出した音による「音ハラスメント(音ハラ)」に意識を持った、ミレニアル世代(20代~30代)に着目したのが、開発のきっかけと話した。
同社調査によると、カフェやコワーキングなどで周囲の作業音が「集中の妨げ」になると、20代・30代の約9割が回答し、40代以上の7割台を上回った。
また、作業音のワーストランキング2位に「ボールペン等のノック音」が入り、自分のボールペンの作業音による「周囲へ迷惑」を不安視する回答も、同世代が8割超と他の世代よりも多かったという。
そこで、新製品「カルム」シリーズは、デザインと技術開発の両軸をうまくかみ合わせて企画を進め、「自分も周りも穏やかに心地よく」をコンセプトに、単色ボールペンと多色・多機能ボールペンはそれぞれに最適な異なる機構で、ボールペンのペン先を入れ替えるノック時の操作音を従来製品に比べて66%低減。
また、ノック作動時に手に感じる衝撃も和らげ、書きやすさを実現し、思考への負担を軽減した。
単色ボールペンの設計を担当した、同社研究開発本部の野村氏は「単色はノック部を前進させる際に発生する作動音を抑制する機構なのに対し、多色・多機能はスライダー(ノック部)が後退する際に発生する衝突音を抑制する機構のため、静音実現を図るアプローチが異なり、ノックの重みも異なったものになっています。新製品では単色と多色・多機能それぞれで静音性とノック圧のちょうど良いあんばいを精査し、目標値を定めています」と話した。
グリップには、カメラのグリップに使われることが多い、デザインの要となる革シボ加工技術を生かした手なじみがよい革調ロンググリップを採用している点も注目だ。
3Dプリンターで多くの試作品を製作し検証を重ねた、野村氏は「この革シボが一番苦労が多かった」と振り返った。
デザインでは、多様性の時代において様々な人やシーンになじむ、シンプルながら個性のあるデザインを三宅氏が担当、同氏は「ボールペンのデザインにはまだまだ無限の可能性が残されている」と話した。
なお、インキは、濃く発色の良い、なめらか油性インキを搭載している。
静音油性ボールペンシリーズ「Calme(カルム)」は、2021年12月15日(水)から全国の文具取扱店で順次発売する。
単色油性ボールペン(0.5mm、0.7mm)は各165円、 3色油性ボールペン(同)は各440円、2色油性ボールペン0.5mm+シャープペン0.5mmは各550円、2色油性ボールペン0.7mm+シャープペン0.5mmは各550円。
動画「ひとに調和する静音設計~アイディアが生まれる音編~」
https://youtu.be/uA1sricICJA
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2021年11月28日
ぺんてる、静音ボールペンという新価値提案 「Calme」発表 ミレニアル世代の音ハラを軽減
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