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2019年09月02日

三菱鉛筆 『需要を創るモノづくり』進める SDGsにも対応

記者発表の三菱鉛筆幹部。中央が数原社長、その右が数原副社長

 三菱鉛筆(東京都品川区、数原英一郎社長)は、8月30日午後、品川区の本社で記者を招き、上半期業績と下半期の営業活動方針について発表した。数原社長は「モノづくりの原点を忘れずに、『需要を創るモノづくり』を進めていく」と話した。


 数原社長は、上半期業績(今年1月~6月)について、

「2019年半期は連結売上高は324億円、前年比4%増、連結経常利益は48億円、前年比2%減と増収微減益となった。セグメント別では、国内は文具やその他を含めてほぼ前年並みで、文具は少し伸びた。海外は前年比8%伸長した。ただ海外は前年が悪かったのでこういう数字になった。半年を振り返ると、国内は前半は良いペースに進んで、新聞の論調も景気が良かったとあったが、ゴールデンウィーク明けから下に圧力が強くなった。海外では前年数字が悪かったこともあり、それなりの成績。そういう意味ではこの半年間、お客様のご支援をいただき、ありがたく感じている」と説明。


 続いて、今後の市場感について「他の業界も同じ意見だと思うが、すごく難しい市場になってくると思う。テクノロジーが進化して、マーケットが急激に変化している、流通や製造、仕事のやり方やモノづくりなどが、大きく変わってきており、急激に対応しなくてはいけない難しい状況下がますます増えている。もう一つは何と表現したらよいのか難しいが、グローバリズムの逆流が起きている。世界では分断や混乱が続き、マーケットの状況が大きく変化し難しい局面が来るのではと心配している」。


「例えば香港の状況とか韓国での反日運動。この8月からは少し当社にも影響が出てくると話を聞いている。また、英国の合意なきEU離脱などは欧州の混乱につながってしまう。中国の景気の落ち込みや中東の状況など、数え切れないほどの問題がある。日本においても人口の高齢化や地方の過疎化など大変シビアな問題を抱えている。消費税の影響も避けられない。このような状況下では、文具だけでなく、日本中の企業が相当努力していかなくてはいけないと感じている」。


「そんな中で、当社は、次のシーズンに向けてどのようなことへ取り組んでいくかというと、一つは原点に戻り、我々のステークホルダーである、お客さまや従業員に対して、『共働する』という原点を忘れてはいけない。いろいろなところで対立が起きているが、自分の主張を通していかなければいけない切羽詰まった状況下でも、ステークホルダーとの共闘を忘れてはいけない」。

「もう一つ、メーカーであるので、モノづくりを大切にするという原点を忘れてはいけない。モノづくりもその時その時で性格が変わってくるが、豊かな時代では、足りないから買うというものでもない。高度なことであるが、自ら『需要を創るモノづくり』を進めていかなければいけない」。


「次元が違う話だが、プラスチック規制の風が猛烈に吹いている。2030年に向かって、国連による持続可能な開発目標である17の目標テーマが含まれているSDGsが、中国がプラスチックゴミの輸入を受け付けないということに端を発して、広がりつつある。海洋汚染の問題が世界中に広がり、欧州や米国でもこの風潮になってきており、この問題にも真剣に取り組んでいかなくてはいけない。課題はたくさんあるが、恒例の商品研究会が来週からスタートする。初めて自社の設備を使って開催する」と述べた。



 続いて、商品開発部の早尾部長から下半期に向けて新商品が発表された。

 地球上にほぼ無尽蔵にある石灰石を利用した「LIMEX」を用いた製品を発売する。筆記具で実現可能な環境保全に対する取り組みを行い、環境保全に対する同社の企業姿勢を販売店に伝える。

 油性ボールペンでは、「ジェットストリーム 」に、類を見ない超極細径「超極細 0.28mm EDGEシリーズ」を上市する。

 「ジェットストリーム PRIME」では、秋の需要期に向けて、SXR-600と回転繰り出しシングルの拡売を目的に新商品を発売する。また、「ジェットストリーム 4&1」に秋の新色を発表する。
 
 「ジェットストリーム」のメイン機能の一つである3色ボールペンと、スリムなのにインクたっぷりの消せる3色ボールペン「uni-ball R:E3」に、幅広い層に人気の新キャラクター「ミニオン」を採用した「ジェットストリーム3色ミニオン/uni-ball R:E 限定第4弾」を発表。

 また、こだわりが強く、ワンランク上のモノを好む社会人男女をターゲットに、上質感をコンセプトにした軸デザインや売り方を採用する、ワンランク上の1000円級の商品「uni-ball R:E3 BIZ」を発売する。

 カスタマイズペン「スタイルフィット」からは、3色ホルダーと5色ホルダーについて、無地の新色とディズニー柄を限定で発売。シンプルな無地デザインから、にぎやかなキャラクターデザインまで選べる幅を用意することで、幅広いユーザーの買い足しや買い換えニーズを喚起する。

 シャープペンシルでは、「クルトガコレクション」として、「クルトガ」と「クルトガアドバンス」の限定品を投入する。

 「プロパスウインドウ」に、文字を目立たせるハイライターと文字書きやカラーリングが出来るカラーペンの両方の機能を持つ、実用的なツインタイプの新しいマーカーを発売する。

 学童商品では、マリオ、リラックマ、スプラトゥーンなどの人気キャラクターに加えて、学童無地柄の強化を行う。「学習品質×彩シリーズ」として、uni Paletteブランドの更なる拡大を目指し、学童に親和性の高いランドセルの人気色をラインナップに加える。また、昨年デビューした「ハハトコ」の新シリーズを発売する。

 学童向けに適したデザインで、転がりにくく、正しい持ち方の練習にもなる、六角軸仕様の新商品「uni 学習・丸付け用鉛筆(赤軸、青軸、赤青軸)」を発売する。


 続いて、山村取締役国内営業部長から下半期の営業活動方針「『進化への挑戦』のもと、市場環境に対応した変化に挑戦する」が説明され、小川営業企画部部長から具体的な営業施策と、来週に行われる商品研究会の概要が説明された。

 販売店向けキャンペーンでは、2019年11月~2020年3月末まで、得意先との強固な関係の構築を目的に、「Win・Winキャンペーン」(一般小売店)、「K-1キャンペーン」(量販卸店)、「W-1キャンペーン」(一般卸店)の3つのロングランキャンペーンを行い、期間中の実績により販売奨励金を進呈する。

 同社は、9月5日(木)10時~18時30分、6日(金)10時~18時、品川区東大井の新本社社屋で、展示会「uni商品研究会 特別展示 2019 in 品川」を行う。

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