■□ 上海市の消費財小売売上高は前年比8.3%増 □■
今年11回目を迎えた「ペーパーワールドチャイナ(PWC)」は、アジアを代表するステーショナリーとオフィス用品の国際見本市。主催はメッセ・フランクフルトなど。
例年より会期を若干ずらし10月15日~17日までの3日間、上海市浦東にある上海新国際エキスポセンター(Shanghai New International Exhibition Centre)N1、N2ホールで開催された。3日目の17日は一般公開された。
日本から出展したのは、筆記具部品メーカーのオーベックスなど3社。だが、大手筆記具メーカー、LIHIT LAB.、キングジム、ツキネコ、ハマナカ、マルマンなどが現地代理店経由で出展し、自社製品のデモなどで盛んにアピールした。
日本では、中国の経済成長に陰りが見えはじめたと報道されているが、実際はどうなのか。会場で話しを聞いてみると、国内市場は大きな購買意欲で活発に動いている。大市場の上海、北京、広州などは文具関係の需要が変わらない状況である。
2014年、上海市の消費財小売売上高は前年比8.3%で伸長し、人民元8719億元だった(約1487億米ドル=16兆6000億円)。2009年から2014年までの年間平均伸び率は11%を記録している。
中国政府の公式資料によると2014年の中国における文具、オフィス用品、紙製品、教育関係用品市場規模(流通ベース)は836億RMB(元、米ドルで136億ドル、日本円で1兆5800億円)となり、この数値は毎年12.6%の成長率で伸びている。
主催者は新企画で人気を得た「DIYスタジオ」を一段と拡充し、「クリエイティブ特設館」の名称でアピールした。
対象はホビー、クラフト、ガラスや木工ペイントはじめ幼児、学童から小中学校、大学と専門学校、および一般家庭の趣味、アート、造形に興味を持つ多数の需要者を網羅し、これに上海市のDIYメーカーと流通業者が加盟する同業者組合が積極的に支援。展示面積も前回フェアの2倍とした。3日間の会期中、キングジム、LIHIT LAB.、マルマン、ツキネコが自社ブースで製品を使った実演デモを繰り返し、人だかりが絶えなかった。
ヨーロッパからオランダ(Creall)、ドイツ(on Line)、ポーランド(Pasaco)など中堅メーカーブランドも新出展、中国の大消費市場に熱い視線を送っていた。
□■ ミュージックフェア同時開催で来場増に ■□
ペーパーワールドチャイナと同時期に同じ会場ゾーンで「ミュージックチャイナ」が開催された。アジア太平洋地域で最大規模の楽器展示フェアが同時開催となり、来場動員数は大きく伸びた。
毎年およそ2万人の文具バイヤーが来場するが2015年の内訳は中国本土66%、3000名近い小売販売店主と300人の卸流通業者がエントリー。ヨーロッパからは16%、中東、南アメリカはそれぞれ5%。来場バイヤー数の国籍10位以内には日本も入っている。
【web】www.paperworldchina.com
【E-mail】stationery@hongkong.messefrankfurt.com
■□ 2016年初めに文具の国際見本市続く □■
大手見本市主催会社のメッセ・フランクフルトは、2016年初頭にかけて、文具・事務用品・紙製品・オフィス用品・ギフト関連の国際見本市を継続開催する。グローバリーゼーションが進む中で、文具、オフィス用品の商談やトレンドリサーチなど、さまざまな目的を持って世界中から関係者が訪れている。
【2016年の主な国際文具見本市】(メッセ・フランクフルト主催分)
2016年1月11日~14日 香港国際文具フェア(香港)
2016年1月30日~2月2日 ペーパーワールド(フランクフルト)
2016年3月1日~3日 ペーパーワールド&プレイワールド ミドルイースト(ドバイ)
【詳細】www.global.paperworld.messefrankfurt.com
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特集
2015年11月14日
【中国レポート】Paperworld China2015 日本メーカーもデモで訴求
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