■コレクトの卓上日記
かつて、どのデスクにもあった卓上型ダイアリー。PCの普及で机上から姿を消したかと思われたが、70年近くたった現在も売れ続けているという。
なぜだろうか。1933年創業の手帳業界の老舗メーカー、コレクト(台東区元浅草)を訪れて聞いてみた。
□現在扱うのは数社のみ
「1948(昭和23)年に発売開始した1949年版が最初。戦前は当社で制作していたのではなく、代理店や販売店としての立場で他ブランドのものを販売していたようです」と話すのは、手帳メーカー、コレクト製品部企画グループの松本航(わたる)氏。
現在扱うのは、同社の他に書店系を含めて数社のみとなった。
2016年向けの新製品「卓上日記 D-160」(9月1日発売、税抜1050円)の利点は常にデスクに2か月のカレンダーを兼ね備えたメモ帳があること。電話中の書き取りにも便利だ。翌日は左にめくると裏返り白紙になる。そこにもメモを書き込める。つまり両面を使うことができる。左右は年初は右の山が高く、だんだんと左右の嵩(かさ)が移動していき、12月になると左に山が築かれる。左右の山の高さは月日ごとに変わるため、気になる場合は、姉妹品の「D-500」(同1150円)で解決できる。こちらは用紙を1年中同じ高さに調節することができる。
1年使い切ったら、替紙(384枚、同650円)で継続使用できる。サイズはA型とB型があり、同社はA型にこだわる。
□支持される理由は「製品仕様を変えないこと」
「台紙付きのD-160が売れています。台だけが会社にあるとの問い合わせもくる。他にないからでしょうか。長く出ている物は売れています」(松本氏)。
長年の愛用者が多いコレクト製品。その理由は、1951年から発売するウィークリーダイアリー「D-51」に代表されるように、同社が「製品仕様を変えないこと」にもありそうだ。
記者もかつて使っていた。パソコンの普及でデスクトップ上のスペースがだんだんとなくなり、いつのまか使わなくなった。久しぶりに見せてもらうと、電話をしながらのスケジュール確認やとっさのメモ書きには便利だ。
持ち歩くことは想定していないので、営業系よりも事務職に向いている。日めくりなので、プチ達成感も得られそうだ。
同社の2016カタログでは、1日、1週間、2週間、1ヶ月の順に掲載され、卓上日記はトップで紹介されている。改めて見直してみよう。(月刊「BUNGU TO JIMUKI」2015年8月号「2016ダイアリー特集」記事を再編集)
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2015年08月18日
【手帳メーカーを訪ねる】発売から66年 今も卓上日記が支持されるわけ
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