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2012年07月27日

ますます早まるランドセル市場 A4クリアファイル以上の収納が主流

製品特徴を説明する協和若松専務

協和の「ふわりぃコンパクト」は重さ約890g

 ランドセルメーカーの協和(東京都千代田区)は、7月23日都内で2013年度のランドセルの市場動向を発表、大手量販の仕掛ける早売りで、市場自体が年々早まっているという。

 同社によると、2013年度入学予定児童数は、109万1917人で、簡易ランドセルを除くランドセル購買数量を約100万個と推測した。

 取り巻く環境は大きく変化している。入学児童数が2011年から110万人を割る少子化傾向の中で、購入者である保護者は、子どもの希望するランドセルを早い時期からめぼしを付け、祖父母の支援により、年内中には購入する傾向が顕著だという。

 また、「コギャル」と呼ばれていた世代が親世代となり、より自分らしさや自由さからランドセルを選ぶように変化する中で、ランドセルにステッチや鋲でデコレーションした製品も一部で登場している。しかしながら「ほとんどの保護者がランドセルに付加されている機能で重視するポイントとして、軽さをあげる」(同社若松秀夫専務)。子供の負担を減らそうという親心がのぞかせる。

 また教材の変化も見逃せない。2002年にゆとり教育がスタートし、教科書や副教材のサイズが大型化した。さらには、2011年には脱ゆとり教育が実施され英語が必修となるなど、大型化とボリューム増で、「A4のクリアホルダーやファイル以上が入るものが主流となった」(同社)。

 先生がパソコンで作るプリントがA4サイズのため、A4ファイルが入るランドセルの必要性は数年前から業界でいわれてきたことだ。

 さらに、販売時期も変化している。

 さまざまなランドセルが店頭に並ぶ中、人気色やコンビネーションカラーなどは多品種・小ロットでの製造となり数が少ないため、完売後は売り切り商品となる。そのため気に入ったランドセルは早期に購入される傾向にある。また、少子化が進み市場が縮小傾向にあるため、売り手側が仕掛として、早期購入を醸成し市場が占有されていることも要因の一つだという。

 若松専務は「従来商戦は、11月中旬から始まるとされていたが、どんどん早まっており、2011年の販売ピークは11月だった。今年は7月下旬から大手量販店のテレビCMが流されるなど、もっと前倒しになる」と見る。

 協和では、A4教材を収納可能な本体サイズに加えて、A4ファイルの収納も可能にした新製法のランドセル「ふわりぃコンパクト」を発売。

 また、パーツ毎に12色から好きな色を割り当てたり、好みの機能・デザインを選ぶことの出来る「オーダーメイドランドセル」も販売し、障害を持つ学童にも喜ばれており、多様化する市場に対応している。

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