値上げに加えて、大企業の経営悪化や雇用削減が伝えられる不況の中、文具専門店の店頭は12月に年間最大の商戦を迎えている。かつての12月第2週の土日から、立地によって商戦のピーク時期も変わりつつある。
今年、全館をリニューアルした札幌市内の中心街にある大型店は、「12月に入って客数が増えている」と、忙しい様子。「12月20日~21日の週末がピークになるのでは」と担当者はみる。年賀用品、ダイアリー、カレンダーなど季節商材も好調だ。
今年オープンした都内の新店は、「オフィス立地のため、週末よりも平日にピークがくる」。予定では、22日と祝日をはさんだクリスマスイブに期待をかける。「クリスマスカードは最初にメロディ付きの高いモノから売れて、最近は100円~200円と下がってきている」と店長。
商店街にある横浜の文具店では、ダイアリー、カレンダーも前年並み。年賀用品は年賀スタンプをやめた分、印刷済みの年賀はがきが昨年よりも売れている。「商店街なので、例年企業が仕事納めした以降の年末にピークがくる」と店長。
一方、博多のオフィス街にある販売店では、「お客様の動向は12月に入って増えているが、分散している」という。
実際、不況の影響は深刻なのか。店頭店の話を聞く限りでは、1人当たり単価が減った以外は、不況の波は感じさせなかった。ただ、卸関係者は「いつになくカレンダーの動きが鈍い」という。ある販売店の店長は、「10月から日本経済の悪化が報道されているが、文具店は年末にピークタイムを迎えるため、本当に景気の影響を受けるのは来年以降だろう」と、心配する。
文マガのアンケート調査で、他業界の60代ビジネスパーソンは「文具業界だけでなく、すべての業界、経済が最悪の状態にある中、古い体質などの諸問題はあるが、他業界と比較すれば、皆さんがんばっていると思う」と回答した。
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2008年12月19日
文具店のピークはいつ? 値上げ、不況の中で年末商戦迎える
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