困った時に経営指南を行う文具店のコンサルタントはいる。だが、売場オペレーションから品揃え、POP作成、万引き対策、見本市の同行まで総合サポートするアドバイザーがいるという。評論家ではなく、実務家として活動する高橋善博氏(57歳)だ。
「棚職人と呼ばれています」と苦笑するのは、文房具店頭プロデ ュース業を担う高橋氏。宮沢書店TSUTAYAロックシティ館山店の売場では、商品マッサージの真っ最中。同店は書籍、レンタル、 文具で構成し、売場面積は400坪、うち文具は40坪だ。ショッピングセンター(SC)のロックシティはイオンのSCだったのを規模を倍増してロックシティとして07年5月末に再出発した。
同氏は、千葉県内の書店2社を経て、大手文具卸の営業職から独立し、現在、千葉県館山市にある宮沢書店3店舗の文具売場サポートを行う。
同氏の強みは、長年様々な文具専門店を見てきた経験に裏打ちされる客観的な視点。個店の経営者や店長にありがちな思いこみにとらわれないで、判断基準はただ一つ、「顧客が満足するか」。
「例えば、女性のお客様はいいものをたくさん見てみたいという欲求がある。シールは当初置いていなかったが、レターとシール、カードなどは主婦層や年配客が予想以上に買って行かれるのに気がついた」。
そこで、便せん、レターセットを同店のメインに据えると決め、細やかに売場を作る。陳列は便せんのフェイス1つ1つが 見えるように並べることで売れ筋が把握できるようになった。また「訳のわからない在庫が増えなくなった」と改善された。
「売上が上がらないから、文具店はダメだと思うことはないんです。考え続けていれば、 必ず答えは出る。なんとかしたいという想いがあれば何とかなる 」と、高橋氏。お金はかけなくてもいい売場は作れる。実際、同氏はホームセンターで買ってきた金具やパネルで売場の模様替えをあっという間に仕上げる。
ロックシティ店を南房総で一番の店にしたい語る高橋氏。将来的には、困っている文具店を助けたいという。
【宮沢書店TSUTAYAロックシティ館山店】 〒294-0047 千葉県館山市八幡545-1
(詳細は、月刊「BUNGU TO JIMUKI」8月号に掲載)
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2008年09月09日
文房具店頭プロデュースというお仕事<館山・宮沢書店での試み>
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