コクヨ(黒田英邦社長)は、12月10日、個人向けオフィス家具を対象とした2020年の「ECモールサイト売上前年比・販売ランキング」を発表し、テレワーク需要で回転いすを中心に売上が急伸している。
ECモールサイトは、B2C通販(Amazon、 楽天、 Yahoo!)。
今年急速に普及した在宅勤務に伴い、 自宅の執務環境を整えるために、 オフィスで使っている回転イスやデスクといったアイテムを自宅用に購入しようとする需要が高まり、 売上前年比や販売ランキングにも、 今年ならではの特徴的な動きが見られた。
2020年は、 新型コロナウイルスの影響で、 “出社が前提”から“自宅でもオフィスでも”というハイブリッドなスタイルへ、 働き方が急速に変化した年となった。
コクヨにおける2020年1月から11月までの前年同月売上比を見ると、 緊急事態宣言が発令された4月から大きな伸びを見せ、 緊急事態宣言が解除後の6月は前年比811%、 7月以降も前年比300%前後の売上が続いている。
一時的な緊急措置とされていた出社自粛後も、 在宅勤務を取り入れ続ける企業が多く、 自宅で仕事をするためのスペースづくりや家具等アイテムの見直しに本腰を入れる人が多いことが考えられる。
また、 2020年1月から11月までの商品カテゴリ別売上前年比を見ると、 回転イスが前年比約400%を記録している。
実際に在宅勤務を始めてみると普段使いしているイスでは、 姿勢や疲労度に影響が出ることに気付き、 オフィスで使用しているような“仕事をするために特化した回転イス”への需要が高まっていることが読み取れる。
また、デスクに関しても前年比220%の売上を記録。
今まではリビングテーブルの一角や、 床に座って低いテーブルでの作業が多かった人も、 長時間作業するために、 パソコンを置いて姿勢を保てる作業スペースを確保するための専用デスクを求める姿が浮かび上がってきた。
商品シリーズ別売上構成を見ると、 特に注目を集めた回転イスでは、 座面が揺れることで座りながら体を動かせる同社の「ing(イング)」が33%を占め、長時間続く同じ姿勢への改善にアプローチする目的で選ばれている。
また、優れた背もたれ調節機能が特徴の「Duora(デュオラ)」や、 さまざまな姿勢をサポートする機能を持つ「Bezel(ベゼル)」といった高機能で高価格帯(メーカー希望小売価格10万円前後)の商品も、 全体の2割に届く勢いで選ばれている。
この3商品で、 回転イス売上の半数を超えており、 仕事をする上で長い時間を過ごす回転イスには、 お金を払う価値があると捉えているユーザーの思考が見てとれる。
ユーザー一人当たりの平均購買単価も約1.5倍に伸びていることから、働く環境を整える意識が高まり、個人でもオフィス用アイテムに投資する機運が高まっているといえそうだ。
コクヨは、需要の高まりを受けて、公式直販ECサイト「KOKUYO Workstyle Shop」を11月30日からオープンした。
「KOKUYO Workstyle Shop」
URL: https://workstyle.kokuyo.co.jp/
文具と事務機のポータルサイト・株式会社ニチマ:文具の業界はあなたのライフ&ワークスタイルを支えています。
ホーム > 特集
特集
2020年12月14日