自動車用ケミカルのメーカーであるリピカ(広島県三次市)は、熊野筆メーカーであるイ方古堂(ほうこどう、広島県安芸郡)と共同開発した筆用洗浄剤「筆シャン」(1260円)を2011年12月に発売した。

　発売当初から、関東近郊のデパートや書道用品店などで、好調に売れ、生産本数を年間5000本から2万本に上方修正した。

　「筆シャン」は、泡で筆を洗うという新しい発想で開発した筆のためのシャンプー。墨汁の中に含まれる筆を硬くする原因を、筆シャンの主成分(天然由来の植物酸など)で分解・除去する。筆を傷めるアルコールや油分などを含まず、洗った後も、筆の毛も広がらず、しっとりさせる。

　イ方古堂では、墨溜り(根元で墨が固まる)した筆が、修理品として毎月沢山送られて来ることで、時間と労力を割かれていた。そこで、リピカが液体で墨溜りを分解する商品を開発。子供でも使いやすいように、液体を泡で出せるポンプなどを採用するなど工夫をし、販売開始した。